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第52回 九州協議会
 宮崎大会 大会速報


平成16年6月11日発行 宮崎大会実行委員会
 


会場スナップ写真集は こちら



 平成16年6月10日、宮崎県立芸術劇場にて、第52回全国公立高等学校事務職員協会九州協議会宮崎大会が開会しました。
 本協議会は、九州各県より568名の参加をいただき、2日間の日程で開催されます。


  開 会 式    【演劇ホール】


 開会式では、初めに宮崎県の森山高昌大会実行委員長より
 「九州各県より多くの皆様の御参加いただき、心から歓迎いたします。この大会の成果が今後の学校教育活動の中で生かされ、充実した学校事務体系への確立に向かう研究となることを期待します。」 とのあいさつがありました。



 森山大会実行委員長のあいさつに続き、ご来賓の皆様よりご祝辞を賜りました。
 続いて、表彰式、研究発表者紹介、全国協会本部報告が行われました。今年の表彰者数は103名、このうち参加者は19名でした。

              
 全国協会本部報告の内容につきましては、以下のとおりです。

1.
 研修講座については、昨年までの2講座から1講座となった。今年度は「地域の中核となる事務職員の育成を目的とした研修」として、各県から事務長及び同等の職員が参加し、つくば市の教育研修センターにおいて12分科会に分かれて実施される。
2.  全国大会については、現在2050名の参加申し込みがきている。第5分科会については、「21世紀における学校事務の展望」と題して、共同実施、 集中管理、センター化、それによる民間委託等、これからの学校事務職員のあり方をどうするかについて全員参加型の討議を予定している。


 第1分科会 【演劇ホール】     「親しみやすい学校デザイン」



「教職員の健康管理について  〜快適な職場環境と教職員の健康を求めて〜」


福岡県立嘉穂高等学校 主任主事 赤間 寛人

 
 社会状況(高齢化、生活習慣病患者の増加、職場環境の変化)や学校現場(少子化、学校週5日制、中途退学者の増加)の変化の中、アンケート調査を実施、分析し、今後のあるべき「教職員の健康管理」について、考察したことの発表でした。
「教職員の健康管理」については、「自己責任」だけでなく学校も積極的に健康増進、疾病予防のための方策を講じ、教職員を支援していくことが大切です。そして安全衛生管理体制を活用した学校管理を行うのが最良の方策であり、そのために各学校に設置している衛生委員会の活性化が不可欠であるとの発表でした。


(助言者より)
 東京都での安全衛生委員会設置について、責任者を明確化するとともに職員の健康を守るための専門医による月1度の健康相談、職員配布用の一口メモ、健康診断受診率アップに向けての環境整備等現状を話されました。また、最大の問題点である衛生委員会の活性化には、校長のリーダーシップが不可欠であると言われました。




「これからの障害児教育を支える施設・設備はどうあるべきか」


大分県立新生養護学校 主任 竹本 竜二
大分県立情報科学高等学校 主任 柴北 剛志
大分県立別府鶴見丘高等学校 主査 佐藤 恵子

 「学校の総務に携わる者の日常の業務は、どんな発想をベースとし何を目指すべきか」それを探る手だてとして、障害児学校の施設・設備に目を向けました。その中で「大規模改造、新築工事」、「雑・修繕工事」、「備品」に分け、それぞれに考察を加え、障害児教育にどのような設備・備品が求められているのか具体的に実例を紹介されました。財政状況が厳しい中、地域・学校で何を優先するのか、どのような整備方法がよいのか、事務職員の視点から提言し、「ノーマライゼーションの理念の実現」に向け、教育職員とともに支援していきたいとの発表でした。
 
(質疑等)
 増加する重複障害者へどのように対応したかとの問いに、体温調節が困難な児童が増えたため空調設備を設けたと回答があり、さらに重複障害にとらわれず幅広く対応できる様な意味でのバリアフリー化が重要であると補足がありました。
 「ベッド式の畳は、安全面からみて問題があるのではないか。」「手すりが窓の下に一本しか設置されていないが、身長差を考えれば二本必要ではないか。」との問いに「リラックスした体勢をとらせるのが目的でベッドは設置されているので気分が悪くなった時などに一時的な使用にしか用いていない。」「手すりについては、現在のところ支障があるとは聞いていないが、今後改修等の参考としたい。」との回答がありました。
 
(助言者より)
 宮崎県では、バリアフリー化があまり実施されていません。バリアフリー化するには、スペースの確保等最初から視野におくことが必要ではないでしょうか。ユニバーサルデザインの観点を踏まえたよい発表でした、とのことでした。





 「校内バリアフリー整備について  〜ハイサイ事務主事の奮闘記〜」


沖縄県立北部工業高等学校 事務主事 比嘉 智美


 沖縄県では、県立学校のバリアフリー整備が平成14年度から開始されました。このバリアフリー整備でのポイントを「県立ユイマール高校」の「シーサー事務長」と「ハイサイ事務主事」が他校のバリアフリー整備状況を学びながら、自校のバリアフリーに挑戦する物語で説明し、限られた予算と少しの心配り・労力で施設・設備のバリアを取り除き、すべての子供たちが共に学べる環境を整備することで「ユイマール(相互扶助の習わしを意味する沖縄の方言)」の精神を理解する「心」を育てることが必要との発表でした。
 
(質疑等)
 宮崎県・鹿児島県から意見が出され、どちらも肢体不自由の生徒が入学した経験を語ってもらいました。生徒への対応に苦労した反面、生徒が自ら助け合うということが自然と生まれ生徒・職員共によい経験となりました。
 
(助言者より)
 各章のポイントがその都度まとめられていてよかった。台風被害への対応も沖縄らしい。入学してからでは間に合わないので、早めの対応が必要ではないでしょうか、とのご意見でした。



 「セキュリティ・システム  〜機械警備に移行して〜」


熊本県立水俣高等学校 事務職員 濱崎  豪

 熊本県では、「準用再建団体」への転落回避のため、「財政健全化計画」を策定しましたが、県立学校の機械警備への移行は、その重要項目の一つでした。
 機械警備は、平成15年度に一斉導入されましたが、移行への取り組み、入札の状況、経費削減効果、機械警備・人的警備それぞれのメリット・デメリット、導入後の問題点、「欠席受付システム」等について、県立学校74校で実施したアンケートの結果と、その考察をおりまぜての発表でした。
 
(質疑等)
 宮崎のように人的警備と機械警備とを併用すれば、事務職員の負担が減ると思うがどうでしょうか?
 その問いに対して、熊本は人的警備に頼りたいのだが、財政上困難であり職員が「学校を守る」という意識を持つことで解決していきたい、との回答でした。
 
 
(助言者より)
 人的警備から機械的警備への移行はやむを得ない状況にある。しかし、機械だけではまかなえない現状もあるので、機械警備にする前に一人一人のモラルの向上、職員の意識づけ等の体勢を整えることが必要である、とのご意見でした。
 


第二分科会 【イベントホール】    「個に立ちかえる組織と情報」



「事務効率化への一考察  〜若手教職員のためのパンフレット作成をとおして〜」


佐賀県立唐津工業高等学校 主事 井上智香子
佐賀県立唐津西高等学校 主事 三塩秩英子
佐賀県立唐津東高等学校 主事 浪口 理恵

 
 行政改革により事務職員の定員数が削減され、一人あたりの仕事が増えつつある中、職員に事務手続きを理解してもらい、職員の知識を向上させることで事務の効率化につなげようと考え、パンフレット「事務の窓口〜あなたの疑問答えます〜」の作成に取り組みました。
 まず、疑問点についてのアンケートを実施。その結果を踏まえて、掲載項目やスタイルの検討を行い、職員にわかりやすいものになるよう心がけました。今後は、有効活用をはかり、改訂の体制を整えることが課題であるとの発表でした。

 
(質疑等)
 パンフレットの配布状況については、現在地区の9校のみであり、今後、県全体に広げたいとのことでした。職員向けの研修に関しての他県の状況や取り組みについて、又起案文書・決裁・減免・生徒異動といった部門の追加について意見が出されました。大変ユニークで期待を持てる取り組みであり、今後の有効活用について地道にやっていくしかないとの意見が出されました。

 
(助言者より)
 事務の効率化は我々の課題ですが、職員向けのパンフレット作成ということで、今までの我々とは別の観点から捉えたすばらしい発表でした。 配布後のアンケートでも、作成の効果がきちんと出ていることに着眼したい。唐松地区だけでなく県、ひいては九州の事務の効率化に結びつけばすばらしい。更新作業を怠らずまた、他の部門も取り入れて、グレードアップしたものを作成してほしいとのことでした。




 「事務職員の自主研修について  〜研修実施委員会の取り組み〜」


宮崎県立延岡西高等学校 事務長 徳丸 透
宮崎県立延岡第二高等学校 主事 後藤 郁男
宮崎県立小林商業高等学校 主事 甲斐夕貴子

 宮崎県の事務職員の研修は「21世紀をめざす学校事務開発事業」により体系化が図られていますが、その中の自主研修については、県立学校事務職員協会の研修実施委員会が主管しています。
 実務、OA、秋季の3つの研修班で構成。主管課やOA委員会、開催地区等との連携を図りつつ、事務職員の資質の向上をめざして、発足以来現在まで取り組みを続けています。今後は、時代の要請に応えられる研修体制の再構築が必要となっているとの発表でした。

 
(質疑等)
 他県の研修の状況として、現業部を交えての研修や地区研修等が挙げられました。地区研修の研究集録にミシン目を入れ、保存して業務に役立てている学校もありました。
 また、県庁LAN等を利用しての日常的な情報交換が自己研修の深まりをもたらすのでは、との研修の在り方への提言もありました。
 
(助言者より)
 宮崎県の事務職員の方々に対しては、研修意識が高いというイメージを持っています。今後は、「教育を語れる事務職員、教育をマネージメントできる事務職員」が望まれるのではないでしょうか、とのご意見でした。
 



 

 「知LANと損する校内LAN  〜校内情報の共有とセキュリティ〜」


長崎県立五島高等学校 主事 吉川  聡
長崎県立五島商業高等学校 主査 山村 智成

 長崎県においては、ほとんどの県立学校が校内LANを整備しており活用しています。その中で、今回アンケートを実施した結果、情報管理に関する期待は大きいが、活用状況について各校まちまちであるという結果を得ました。それを受けて、校内LANのメリット・セキュリティ・ドメインによる管理・校内情報のアクセス権等、有効に活用するための手がかりを紹介しました。このことを足がかりとして、まず組織を結成し、全職員の共通理解のもと、取り組むことでネットワークの有効利用が可能になるのではとの発表でした。

 
(質疑等)
 校内LANの活用方法について質問がありました。
  ・ 旅行命令書や復命書に利用し、旅費のデータ化を行っている。
  ・ フリーソフトを利用し、不在時のメモに活用しているなどの意見がでました。

 
(助言者より)
 長崎においては、LANの整備が完了しているとのことでうらやましい。宮崎では、校内LANを自前で整備していて、未だ100%でないのが残念。 インターネット、周辺機器、ファイルの共用と3つのメリットを発揮するための有効利用が望まれています、とのことでした。




「学校における個人情報保護についての一考察」


鹿児島県立出水高等学校 事務次長 中村 洋
鹿児島県立鹿児島工業高等学校 事務次長 瀬戸口 学

 平成15年4月1日施行の鹿児島県個人情報保護条例を受けて、鹿児島県の学校では、学校が取り扱う全ての個人情報が開示請求等の対象となり、情報公開に対する事務の重要性や役割が大きくなりました。これまでの、閉じる方向にあった学校の管理情報体制を開くことは容易ではありませんが、「開かれた学校づくり」として、情報公開を積極的に推進し、説明責任を果たすことが求められています。学校事務職員は、情報公開に対する事務の重要性を十分認識し、常に研究と修養に努め、不断の資質向上に努めるべきとの発表でした。

 
(質疑等)
 宮崎県からの、指導要録が20年経過して発行の申請があった場合はどうするべきか?の問いに対して、結論は出ていないが発行はしている。工業高校では卒業後、数年の実務経験を経たのち国家資格が得られる電気技師などの卒業証明書などは生徒自身に関わるのでどうするか?の問いに対して、請求があれば発行している、との回答でした。

(助言者より)
 情報公開、個人情報保護、委託関係など全ての内容が網羅されている。説明責任は、事務室の初期対応が大切である。工業高校での卒業後、電気技師の資格取得の時の卒業証明書などは必要事項が判れば証明書が出せるのではないか、とのご意見でした。


研究討議   「授業料徴収事務の問題」


 宮崎大会の特色を出そうと、今回の協議会では2会場に分かれ、「授業料徴収事務の問題」について研究討議の時間を設けました。2会場とも各学校の実情や本音の部分を出し合って、活発な意見交換が行われたようでした。

 
【討議の様子】
 
 
 
編集後記

 宮崎県実行委員会役員の日頃の行いのせいでしょうか。天気が荒れてきました。
 分科会での研究討議、お疲れ様でした。両分科会とも大変活発で有意義な会だったようですね。また、夜の宮崎はいかがだったでしょうか。宮崎の街を堪能していただけましたら幸いです。
大会も残り半日です。実りある大会にして、来年の福岡大会でまたお会いしましょう。
 
大会実行委員会役員一同より
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